ノルマンディー地方のパティスリー研修2
随分前のことですが、1989年3月末ノルマンディー地方のパティスリーデュポンでの研修が始まりました。
つづき、
とにかく研修初日から約1ヶ月は、朝早くから夜8時頃まで 、毎日が本当に忙しかった記憶です。(ただお昼は12:00~14:00が昼食と休憩)
復活祭paquesが終わると忙しさは無くなり多分日常が戻る感じでした。
そんな時にマダムが食事に誘ってくれたわけです。(2人きりで緊張しましたが)、普段の食事はとてもシンプルで、朝はお向かいのパン屋さんの焼きたてバゲットとカフェ・オ・レ、お昼はトマトサラダ(これが絶品)、ラディッシュにバターと塩、ニンジンやセロリ芋の細切りサラダなどの野菜の前菜の後、ローストの塊のお肉(牛、子羊、豚、鶏、兎など、菓子屋なので常についているオーブンに入れておけば放ったらかしで、できるからかなと思いましたが)と様々なじゃがいもの付け合せ(焼いたり、揚げたり、湯がいたり、大きいやつから細かいものまで、マッシュポテトもありました)ですが、夜の食事は、ご主人特性のスープとお昼の残りのロースト肉でとてもシンプル(簡単なもの、時々スープの後はクレープだけなんて日もありました)でした。
夜食事が終わってお皿などの片付けを手伝いご主人とマダムが10:00過ぎに、車で近くの自宅に帰ると一日が終わる感じ、1人になり2階の部屋へ上がりほっと一息、日記や手紙など書き寝るだけなのですが決まって11:00過ぎ位に、2階の部屋の窓に小石が当たる音。覗くと下から同僚の若者2人が呼んでいます。ほぼ毎日の事ですが、降りてこいビール呑みに行くぞ!の誘いです。
近くのカフェで本当に一杯だけ呑むだけなんですが。
書き始めると当時を思い出しドンドン書いてしまいます。
ある暑い日、いつもどうりカフェでビールを呑んでいると、同僚達が暑いから海に泳ぎに行こうと話しています、(こんな遅くに行くはずないと、明日も朝早くから仕事だし)店まで帰ると入口でタオルを持って降りてこいって!
本気です。
それから車で近くの浜迄行って海に入るんですが、その日は月明かりも無く、砂浜と水辺のさかいもみえない真っ暗闇、恐る恐る歩いていくと突然冷たい水が足にあたる感じ本当に驚きます!
ちょっと慣れてきて肩まで水に入ると冷たくて気持ちいい!暑いの吹っ飛ぶと思った矢先少し沖の方からバシャバシャ水の音、暗闇で見えないので恐ろしい何が動いているのか、本当にその時は更にゾゾッとさむくなりました。
小一時間体を冷やし車に戻ってタオルを使っているとが知らない男性が海の方から歩いてきました。さっきの水の音のヌシです。
フランス人なにを考えてるのか、深夜真っ暗闇何も見えないのに海で泳いだり、理解に苦しむ出来事を体験しました。(深夜12:00過ぎのこと)
その後車で店に戻りシャワーで潮を流し寝たのはたぶん1:00すぎていたと思います。翌日は3:30から仕事で朝の菓子の仕上げ、エクレール、ルリジューズなどのシューのおかし、サバランやババ、バタークリームの様々な小菓子、タルト、もちろん研修初日から任されたピュイダムールの仕上げをしてる時に同僚達に海から帰ってシャワーはどうしたか?と聞くとなんとそのまんま仕事していると(同僚達の使うシャワーは庭にあり、ご主人が帰る時に庭の出口は鍵をかけるため)ここでまたフランス人の理解に苦しむ行動(同僚達だけかも)塩水乾いてベタベタしてるはずなのに平気で仕事している、でもこんな同僚が2人もいてくれて、いつもなんでも仲間に入れてくれて息抜きができたのかもっ、思考が日本人と違い戸惑いは一杯あったけど、ありがとうです。
長々と失礼しました、又続きを書きますので良かったら読んでください。