パティスリー研修5 ピュイダムール

35年程前のことなのに、色んなことを、どんどん思い出します。

パティスリーデュポンのピュイダムールは通常、1人前サイズのプティガトーなのですが、注文があると6人用や8人用のグラン・ピュイダムール(大きい)を作ることも結構ありました。(8人用以上は作っていませんでした。)          16cm、20cmのタルトリングでフュタージュのケースを焼き上げ、底一面にフランボワーズのソースとフランボワーズを散りばめて、クレームピュイダムールをたっぷり絞って表面を慣らし、表面全体をしっかりキャラメリゼして出来上がりです。クリームだけをキャラメリゼするんですがパイ生地の縁に焼きごてが少しでも当たると黒く焦げてしまい、結構微妙な角度の調整が必要で難しかった事をおもいだします、キャラメリゼは3回しなさいとデュポンさんには言われていましたので神経を使った記憶です。(通常のプティガトーサイズは2回のキャラメリゼです)

他にも、特にバカンス時期(7,8月)サントノレやサバランなども大きいサイズの注文が結構ありました、前回のブログに書きましたが、大きいルリジューズの他、クロカンブッシュ(飴がけしたプティシューを円錐型に積み上げるピエスモンテ、お祝いごと、特に結婚式·フランスのウエディングケーキ)の注文などは毎週1.2個は入っていました。1番大きかったのは180人前のもので、クロカンブッシュ本体だけで1m位の大きさでした(のせる土台も手作りで高さ30cm位、てっぺんに新郎新婦の人形をのせるので、合計150cm位あったかな)自家用車で運べないので花屋さんのトラックを借りて納品しました。(デュポンさんの息子の花屋さんのトラック、長女さんの旦那さんです)

他にも、お店オリジナルのドーファンも(オレンジ風味のチョコレートケーキ)よく特別な大きさ・形、特別な仕上げで、注文が入っていました。                   結婚式用にケーキを2段重ねて飴細工のバラの花を飾ったり、プレート大の大きさで表面にクレジット会社のロゴをマジパンでかたどって飾ったり、普段のお菓子も沢山作り、予約注文も沢山あり本当におお忙しの7、8月でした。 朝は2時半から仕事して、本来休憩の12時~2時(昼食を頂き、後は休憩)も、お店が忙しいのでお昼ご飯はお預け(デュポンさんが作ってくれ皆んなで食べる)1時半頃に食べる様な感じで、夕食 (8時過ぎ)まで仕込する日々で、バカンス時期の7、8月は(6月末、9月初め含め)72連勤という過酷な毎日でした。 そんな時でも同僚達は毎晩カフェに誘ってくるんです。(以前にも書きましたが)今思い返すと、とんでもない状況だと…(若かったので出来たのかな)

当店でも、先日、奥様のお誕生日にと、16cmのピュイダムールをご予約頂きました。(久しぶりに作って当時を思い出しました)